【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第41章 貴方じゃないのに。※裏
自分でもわからない。
この人に対する感情。
好きか嫌いなら好き。
…でも、恋愛じゃない。
それだけは確かなのに、この人の熱が好きで。
横抱きに抱き上げられ、キスをしながら家に入っていくのは、まるで恋人みたいだとぼんやりと思う。
ソファーに辿り着けばゆっくりと唇を離した。
「ロックで大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
…久しぶりにウイスキーを飲む気がする。
相変わらずの味が、心地良い。
「シャワーは?」
「…別にいい」
早く流したい気もするし…零に抱かれる感覚と似ていて、僅かな余韻が何とも言えない気持ちになる。
「流さないと、ずっとその顔してそうですね」
それ以上は何も言わず私の判断に任せられた。
お酒を飲みながらテレビをつけて。
大きなテレビだなぁ、と眺める。
なぜか隣に座る沖矢さんの肩に頭を寄せた。
「どうかされましたか?」
「…赤井秀一に、抱かれた時……どうしてか、彼と重なった…前の日も今朝も…壊れそうなくらい彼のことを感じてたのに…」
「それが、嫌だったと」
「…彼に合わせる顔が、ない…貴方に抱かれるように溺れてたって…」
気持ち、よかったんだ。
零に抱かれている時のように。
心だけが追い付かなくて。
「ばかみたいですよね…」
「…いいんですか、こんなところにいて」
「沖矢さんはいいんです、友人ですから」
沖矢さんの手をつかみ、指を絡めて…手をつなぐ。
キスをしながらウイスキーが流し込まれる。
「…貴女の友人の幅は、とても広いですね」
「沖矢さんが特別枠なだけですよ」
舌が混ざって…心地よい。
そっと胸に触れる手を許して、首に腕を回した。
零とは違う触れ方。
熱。
全てが違うことに、安心する。
「少し考えたら…わかることですよ」
貴女の体は覚えているわけですから、と。
挿入する直前に…囁かれた。
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