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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第4章 認めたい気持ち


目覚ましが鳴る。
隣にいる温もりに抱きついてまだ眠りたいと首を振る。

「○○、朝こんなに弱かったですか?」

優しい声に顔を上げて。
目に映る零に、夢だからとキスをねだる。
幸せな、夢だった。



「やめてもらえますか、バカ!!」

朝から大きな声が響くマンションの一室。
キッチンに立つ私と、リビングの1人掛けのソファーで新聞を広げてる零。

…零の仕事についてはいまだに深く触れてないけれど、仕事上こういうのには得意なんですよねなんて言いながらピッキングで入り私のベッドに朝まで寝てたらしく。
こんなの零らしくない、なんて一瞬考えては警察学校時代良い成績と先生の仕掛けた罠に逆に罠を仕掛けたりするところがあったりして。
…零らしいかもしれないと思った。

「○○、朝こんなに弱かったですか?」
「一人暮らし長いからね……それより、なんで敬語なの?」
「○○の恋人なので」

“安室透”なので、と暗に言われて深呼吸した。

「…私は零に朝ごはん食べて欲しいんですけどね」

部屋に入るのは、好きにしてくれて良い。
…零もそれをわかってるから入ったんだろうし。

「○○は“安室透”が嫌いですか」

卵焼きを焼いている私の背後にいつの間にかいて、振り返るように見上げてキスをした。

「………わがままなのはわかってる」

でも、次からは安室さんで良いから。今日初めて朝食を食べてもらえるのなら…零が良い。
そんな想いを口にすれば、零は頬が赤くなっていて。

「あまり挑発するな」

怒らせるようなことをしただろうか?
ごめんなさい、と謝罪をすれば、そうじゃない、と後ろから抱きしめられながら呆れたように笑われて。

「…私が好きなのは、零だよ」
「……不意打ちで素直になるのはやめてくれ」

卵焼きと焼き鮭。
味噌汁に白米に和え物。
朝から少しだけ気合をいれた朝食に、零は美味しいと言っておかわりして食べてくれた。
まるで新婚の朝みたいだね、とからかえば零はいつかそうなるなんて言うから。

多分、その日の朝は
これからの人生の中でも一番幸せな朝だったと思う。




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