【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第38章 募る想い※裏
「○○姉ちゃんっ!探偵の兄ちゃん!」
「助けて〜!」
子供の泣き声に、私の中の何かがキレた。
「見られちまったら仕方ねぇ…ガキを殺されたくなかったらあんたらもコンテナの中…に!?」
透さんより私の方へ襲いかかれば有利だと思ったんだろう。
…片手を捕み、四方投げをキメてやった。
後頭部から綺麗に倒れ…受け身をとれなかった男が気絶した。
「…………○○、受け身取れなかったら最悪死ぬので手加減は」
「知りません」
子供相手にそんなことをする人間なんて…いなくなれば良い。
「…○○の正義は偏ってるんですよ」
「コナンくん、みんなっ」
コンテナの扉を開けて、子供達が私に抱きついてきて…冷えた体を抱きしめた。
零は二人の男をガムテープでぐるぐる巻きにしてコナンくんに警察に届けるように言う。
「大丈夫?低体温症とか」
「光彦が危なかったけど」
「灰原さんのおかげで大丈夫ですよ」
「…少しだけ診せてね」
名前は?指先は…と光彦くんの体に触れて、問題ないことがわかれば心底安心する。
「でもスゲーな、○○姉ちゃんたち」
「あのレシートの暗号を見て来てくれたんですよね」
「レシート?」
零が惚けようとしてるのが分かったから…私もそれに便乗する。
「あぁ、…あの猫の首輪についていたレシートなら風に飛ばされちゃって」
「ここを通りかかったのは○○とデート中だったからですよ」
デート。
……デート。
今さっきまで、ぐるぐる巻きにされている男たちに対する苛立ちや殺意が湧いてたのに。
「なんだ〜」
「じゃあ、お姉さんたちも博士ん家でケーキ食べる?」
零がコナンくんが仲良くしてる阿笠博士の家を外から眺めて…
私は、その隣の家を見上げた。
沖矢さん。
窓から覗く彼と目があった気がしたけど…
その姿はすぐに見えなくなったので気のせいだと一人笑う。
「遠慮しとくよ、デート途中だから」
後は頼んだよ、とコナンくんに笑って…
透さんに呼ばれて助手席に乗って…
私たちはその場を離れた。
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