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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第36章 幸せな


家に帰ると、零からの『おかえり』と書いてあるメモがあって。
……一生大事にするって決めて、お気に入りの本の間に挟んだ。


帰り用のスーツを用意して、ビジネスカジュアルの服に着替える。
探偵事務所に向かうときに零へ一本メールをいれた。

『ただいま』

行ってきます、の気持ちを込めて。
私は…やっと日常に帰ってきた。
明日違う男に抱かれるとか、沖矢さんのこととか。
それを全て気にしなくても良い日。
零に笑って会える日。
それが、安室透でも。
今の私に後ろめたい気持ちは…
ヒロくんと赤井秀一のことだけ。
……調べたく無いけど、もう少しだけ調べよう。
沖矢さんが嘘をついてるとは思っていないけど、100%信じるには沖矢昴という人間の情報はあまりにも…怪しいほど『普通』すぎる。
でも、私は……沖矢昴のことを、信じているのも事実だ。

「…ヒロくん、…やっぱり貴方を失いたくなかったよ」

もし、自害を選んだのなら
その時に私を思い浮かべてくれなかっただろうか。
………そんな傲慢な気持ちが浮かんでは、窓越しの空に向かって謝罪をした。
思い浮かべたら、きっと私でも死を選ぶと思ったから。
もう少し時間をかけて…そして、公安側から見た彼の死についても…詳しく知る必要がある。


おはようございます、と探偵事務所に着けば毛利先輩が少し驚いた表情をして。

「悩み、解決したのか?」
「…え?」
「最近のお前、悩んでたから」

シフトを減らすと言ったこと。
私のここ数日の顔色。
先輩は…気づかれていたんだなって。

「…へへ、やっぱり…先輩には敵わないですね」

コナンくんや零に対してとは違う敵わないという気持ち。

「何がだ?」
「いえ、個人的感想です」

降谷さんもだけど。
私は、上司に恵まれてるなって。

「ご心配おかけしました」

おう、と笑う先輩は…とても優しげで。
早く奥さんと仲直りすれば良いのに、と先輩の幸せを思えばそんなことを考え浮かべてしまった。


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