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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第4章 認めたい気持ち


感じる違和感の正体を突き止めたら、零の傍にいてもいいのだろうか。

“安室透の恋人”。
その言葉の意味をもう一度考えて、私は彼に近づきたい。
零の役に立ちたい。
重ねた肌の温かさを思い出してしまったから。


一日かけてまとめた資料を見直しては修正して。
写真が集められる人は写真をつけて、これまで見ていなかったところが見えてきた。
携帯電話の通知に気づいたのは夕方ごろ。
蘭さんから昨夜のお詫びの連絡と、明日は来れるかの確認だった。
機械音痴の先輩の代わりに連絡してきたのだろう。
悪いことしてしまったな、とわずかばかり罪悪感が生まれて。
当日欠勤の迷惑をかけたお詫びと明日は向かえる旨を返信する。
明日。
零に会えるだろうか。

まとめた資料データをみながら、カーソルを動かして流し見をする。

まるで恋をしている自分に笑ってしまって。
虚しくなった。
零に抱かれながら言われた言葉にきっと私は調子に乗っている。
“好き・会いたかった・可愛い”
彼に言われて調子に乗らない人がいるなら、見てみたいけど。
多分今の私はきっと何よりも単純な思考でできている。

零と、これからどうしたらいいのか。
私自身では答えは出せない。
零と話したい。

今度は、勢いじゃなくて、きちんと話したい。

それを避けていたのは私のほうなのに。
パソコンをとじて、ベランダにでる。
窓から見上げる空は、夕焼けがきれいに見えた。

マンションから下を見れば、零の車にそっくりな車両。
…と思ったら、零自身で。
目があった、と思ったら手を振られた。

どうして、なんで。
そんな考えも浮かびながらも、嬉しいが先にでてしまって。
部屋着を隠すようにロングカーディガンを羽織って、下に向かう。

「零、どうしてここに?」
「…顔が見たかったから」

口説き文句。
それを嫌に思う女はいないだろうなって。

「零、時間ある?」

どうかしたかと問いかける視線に笑顔で返して。

「来客用の駐車場そこだから、少しだけ部屋、寄らない?」

拍子抜けしたような顔の零。

「“婚約者”はどうしたんだか」
「さっき別れてきた」

冗談を交わして、少しだけ、と零が頷いて駐車場に車を停める。
お待たせ、と笑う零はスーツ姿で。
ああ、やっぱり今日は警察の仕事だったなと勘が当たったことが嬉しく思った。


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