【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第25章 無能
タクシーの中で、震える携帯。
マナーモードにしていたことに今更気づいた。
「はい、○苗字○です」
『…○○、どこにいる?』
零だった。
『寝てるのかと思って部屋に入ったけど…』
「零……ふふ、ごめん、少し友達といた」
『友達?』
珍しいな、と言われて。
そういえば零の前でそんな話をしたことがなかった。
いや…話題になるほどの友人は私にいないんだ。
「…あれ?…零、いま私の家にいるの?」
『会いたかったから』
それだけでよかった。
もう、それ以上に求めるものなんて。
「なにも…しなくて良いから、もう少し待っててもらえますか」
『もちろん、いいけど…?』
「零に会いたい」
今は、それ以上考えるのはやめておこう。
タクシーがマンション前に停まれば、零がタイミングよくエレベーターから降りて来て。
「…ベランダから見えたから」
「うん…会いたかった」
抱きついた。
…キスを強請る私に、部屋で、と少しの我慢。
玄関に入ってキスをされて…
泣きそうなくらい、幸せで。
私はこの人に対して不満があった?
こんなに、愛されている実感を与えてくれて
こんなに…大好きなのに。
「…○○?何かあったか?」
顔色を覗いて心配してくる零に首を横に振って。
「ううん…お酒、回ってるせいかも」
「…外、出歩く時は連絡くれ……心配した」
それもそうか、と。
あんな目にあった翌日に、…なにをしてるんだろう。
「うん、…明日からはそうするね」
「一人で…いたくなかったよな…」
「……零、…えっちしたい」
疲れてる?と、見上げれば拍子抜けしたような顔をしていて。
「○○にそんな風に誘われるの、イイな」
「…なにそれ」
「………でもごめんな?」
時間がない、とキスをされて。
キスをしながら…体を弄られ、零の手が体温が、心地よくて。
「少しだけでも会いたかったから」
「…じゃあこの手はなんですか」
「誘ってくれたお礼?」
「顔が笑ってます」
零だって求めてくれてるのがわかって…
少し真面目な顔になり、服を捲り上げ胸元に口付けられた。
胸の突起に舌を這わせ、左手は片方の乳房に。右手は…下半身に伸びて。
「まっ…零…時間ないって…」
「○○をイかせる時間は…別」
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