【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第23章 傍にいたい※裏
「おはようございます」
「おー、○○。遅かったな?」
「すみません、お化粧がうまくいかなくて」
「女は大変だな」
すみません、と重ねて笑って謝って。
「○○、これなんだけど」
パソコンの前に座った私の後ろから、手が伸びて
「…っ…」
フラッシュバック。
後ろから伸びた手が、何故か犯してきた男と重なって。
「おいっ…!?」
叫びそうになる声を押さえて…
泣き出した。
「……○○が迷惑をかけてすみません」
「いや、安室くんも邪魔して悪かったな」
零の腕に抱きしめられながら、二人が話していた。
…叫び声を抑えるように両手で口を押さえながら泣いた私に慌てて透さんを先輩が呼んできた。
透さんにしがみついて泣きじゃくる私を見て、ただ事じゃないと察した先輩は…責めるわけでもなく、ただ見守ってくれて。
「今日は、このまま連れ帰っても大丈夫でしょうか…もし急ぎのものがあれば僕が」
「気にすんな、何も急ぎはないからな」
二人の会話に首を横に振った。
「…帰りたくない…」
「………○○」
「何があったのか…聞いてもいいか?」
先輩が私と目を合わせて…
そりゃ、懐いていた後輩から先輩の後ろから伸びた手を恐怖に感じられて仕舞えば…
「……○○、最近ストーカーに遭ってたんです。僕のせいなんですが…」
なにも零のせいじゃない。
「昨夜、襲われて……少しばかり、傷ついてしまって。それでも今日、仕事に行くと意地を張ったので見守ることにしたんですが」
「……安室くん、ポアロは大丈夫なのか?」
「ええ、…今日の分の用意は全て終えてますし」
「それなら、○○を連れて…今日は休んでくれないか」
頼む、と先輩が頭を下げた。
…そんな姿、見たくなくて。
「私は…」
大丈夫、と小声で言えば二人が深い溜息をついた。
「○○はいつも“大丈夫”と言うけどな…お前が大丈夫と笑うときほど、心配だったんだ」
今だから言うが、と。
「……同じですね」
透さんが私の髪を撫でて…
「今朝、少し喧嘩したんです。休むべきだと言った僕に…仕事に行くと2回もですよ?…言い返したんです」
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