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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第21章 ごめんなさい


夕方前にコナンくんはいつもの無邪気さで蘭姉ちゃんに怒られるから帰るね、と言って私たちを置いて帰った。

「コナンくん、今日学校休まれたんですか」
「そうですね」
「…沖矢さんが連れて?」
「学校には博士から連絡してあります、それに…彼は好奇心旺盛ですからね」

まぁ、実際は高校生というわけだから問題はないのだろうけど。

「不思議な子ですね」
「ええ、あなたとは違う意味で不思議な子です」
「私のことなんだと思ってますか」
「不思議な生き物(かた)だな、と」
「絶対バカにしてますよね」
「はて」

首をかしげて先を歩く背中。
肩が小さく揺れていて。

「絶対絶対バカにしましたよね!」

同伴、というものがわからずにいればなぜか慣れた様子の沖矢さんに食事後お店に連れ添われて。

…なんだろう、なんだろう。
うまく言えないけど、沖矢さんの掌で踊らされているような、でもそれが心地良いような。
間違いなく、私は彼に惹かれている。
人としてだけではないかもしれない心のもやっとした感情には蓋を閉じた。







同じボトル。同じウイスキーを飲んでいたはずだった。
なのに

「…いい女だな」

どうして、私は手足を縛られてここにいる?
覚えてるのは、沖矢さんが早めに帰りますと言ったところまで。

目の前には、見たことのない男と…

「店長…?」
「ユウちゃーん、君は特別だよ」

意識がぼんやりする。…今日終わったら零に連絡すると言ったのに…いま何時だろう。
零は心配してないだろうか。

「こんなに早く出荷できる子が来るなんて思わなかったよ」

出荷?何を言ってるのだろう。

「や、だ…っ」

目の前に魅せられたのは注射針。

“麻薬やら暴力団やらと噂が多いところでな。…それが足も掴めずに刑事部が未だに追っている”

零の声が…思い出されて。

「もっと一緒に働きたかったな」

店長の笑顔が…
近づいて、キスをされた。
舌を挿入れられて気持ち悪くて噛んだ。

「痛っ…何しやがる!」

頬を叩かれて…

「…お前も、トバしてやるよ」

注射器が…
針が、腕に刺されて
ドクン、と心臓の音が…体に響く。
体中が、熱くなる。

ごめんなさい零
貴方の期待に応えられなくて

ごめんなさい

貴方の元に帰らなくて
ごめんなさい


急激に上がる体温と、迫るナニかに歯を食いしばった。


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