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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第19章 潰れる休日※裏


一人暗くなった寝室で目が覚めた。
隣にいてほしい温もりはいなくて。
…休みが丸ごと潰れた。
あれから、17回。零の声が聞こえた中で私が達した回数はそこまで。
零はちゃんとイけたのだろうか。
与えられてばかりの快楽は、痛いほどだったけれど。
体が綺麗になってることを考えると、シャワーを浴びさせてくれたんだろう。

「…でも、起きて零がいないとやだよ」

戸の向こう側にも気配は感じない。
…確かめるのも嫌になる。
なんだか優しくなかった今日の行為は、…虚しくなる。

ガチャ、と玄関から音がして誰かが入ってくる気配。
誰でもない、その部屋の合鍵を持ってるのは零だけだ。

「○○、そろそろ起きて…るようだな。…動けるか?」

どこかに出かけていたのだろう、零に…抱きついた。

「○○?」
「…何度も言ってる…目覚めて零がいないのが嫌だって…」

どんな風に抱かれても良い。
扱われても良い。
目覚めた時に、零がいてくれるなら。

「不安にさせたんだな…ごめん」

飲み物がなかったからコンビニに、とスポーツドリンクとお茶が入ってる袋を指差された。

「それから…意地悪して、悪かった」
「…意地悪ってレベルなのかを疑う」
「○○、20回以上イってたからな」

可愛かった、なんて囁かれて。

「…零はっ…その、…イけた?」

気になってたことを口にすれば拍子抜けしたような顔をされた。

「…あんなことされたのに僕のこと?」
「…私ばっか…イったから」
「嫌だっていうのにイかしたのに?」

優しいキスが…降り注ぐ。

「○○のナカで…イかせてもらいました」

クスクス笑い、からかうような笑顔。

「ご馳走さま」
「…っ、お粗末様です」

零がご機嫌で。
零は…私のことになるとこんなにも表情豊かになる。
それは、私の独占欲を満たす。

「○○、そろそろ帰るけど大丈夫か?」

泊まっていくものだと思っていた。

「…帰っちゃうんだ」
「…ごめん、作業があるから」
「零…の家に、私が行くのもダメ?」
「………今日はダメ。今度必ず連れてくから」

少しの間。拒まれる言葉に付け加えられたのは優しい言葉。

「…わかった」
「じゃあ、また明日の朝」

おやすみ、と抱きしめて…零が家を出ていく。
残された部屋には、長い沈黙と淋しさが残った。


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