【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第18章 ご褒美と聞きたくない謝罪※裏
目覚めたのは、日が昇ってからだった。
腕枕をしていた零は、私が寝ていたせいで動けなかったのか…動かなかったのか。
目を開くと零と視線がぶつかって…
「おはよう○○」
「……あー………」
零の顔を見て昨夜のことをはっきり思い出して。
「謝ったら犯すからな」
「………はい」
謝罪を言いそうになる私に零は先手を打つ。
「朝ご飯、作るけど何が食べたい」
「……いらない、このままが良い」
零の腕枕。
強請ると応えてくれるキスが気持ちよくて。
「零…」
「ん…?」
「…毛利先輩と、このまま仕事してて…良い…?」
「………手伝って欲しいことがある」
キスをしながら…
「赤井秀一を探してる」
「……零…?」
「あの子が、関わってると読んでるんだ」
あの子。
…それは
「コナンくん…?」
「○○には、それを調べて欲しい」
零が優しい口調なのに。
どうしてだろう?
瞳の奥に…燃え上がるような憎しみの感情が視える気がした。
「……零が望むなら」
でも、私はそれを…守る気は無かったんだと思う。
FBIの赤井秀一。
…私は、零に間違った判断をして欲しく無かったのかもしれないし…
「愛してる」
「……零、それ言うの禁止」
恥ずかしい、と言えば幸せそうに笑われて。
私は、零がこの笑顔を向けてくれるなら…
なんだってできる気がした。
昼過ぎにお腹空いたと言えばやっと布団から起き上がった私たち。
二人でいると当たり前のように着ているお揃いのバスローブ。
今日はこのまま家で過ごそうと暗に言ってる気がした。
「零、電話なってる」
「あぁ、風見なら折り返すと言ってくれ」
キッチンに立つ零に、降谷の携帯が鳴って。
画面を見れば“風見”と表示されていた。
「○苗字○です、降谷さんが電話に出られないのでまた折り返すと言ってます」
『……まだ一緒にいたんですか』
電話に出た私に驚いて息を飲んだ音がしたあと、呆れたような声。
『降谷さんへ○苗字○さんに任務が降りたと伝えてください』
「……私に、ではなく?」
『○苗字○さんの指示は降谷さんを通してなので』
頑なに伝えてくださいという彼の声。
『○○さんに潜入捜査の指示が来てます』
それは、初めての…公安としての任務だった。
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