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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第2章 架空の“彼氏”


お祝いと言って毛利先輩が連れ出してくれた居酒屋。
お店を閉めてから向かうと言われ安室透は後から集合する形になった。
…2日続いたキスはもう一度、もう一度、と求める気持ちが大きくなる。
忘れてしまいたいはずなのに忘れることはできなくなっていた。



「毛利先輩、飲み過ぎですよ」

まだ零…こと、安室さんがまだ到着していないというのに開始一時間で酔いが回ってる毛利先輩に呆れ笑い。

「娘が嫁に行く気分ってこういうもんなんだろうな〜」
「誰が娘ですか」
「遅くなってすみません!」

お店の入り口からバタバタと入ってくる零。
安室さん、の呼び名にはまだ慣れなくて。

「大丈夫です、先輩今日ペースが早いんですけどそろそろスローダウンするんで」
「よくご存知ですね」
「飲みの付き合いはよく行ってますから」

隣に座る零に、それより一杯目は?とメニュー表を見せれば車で来てるから、とお茶を頼んで、

「○○さんは、飲んでるんですか?」
「はい、少しだけ」
「あーむーろーくん、○○に手を出したらだめだぞー!」
「先輩、落ち着いてください!出されませんから安心して」

テーブルを挟んで身を乗り出す先輩に笑いながら落ち着かせて。
零の飲み物が運ばれてきて毛利先輩が飲みかけのジョッキを持ち上げる。

「では改めて、結婚おめでとう!」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます」

嘘をついていることへの罪悪感が産まれながら、先輩の嬉しそうな顔には安心を覚える。
他に辞める理由を考えていなかったわけではない。
ただ、何か理由をつけて言い訳をして、素がでてしまうならこの人が傷つかない嘘をつきたいと思ったんだ。

「相手の男性はどんな人なんだ?」
「毛利先輩にはさっき話したじゃないですか、お昼も」

何度聞くつもりなのだと笑い。

「安室くんは彼女いないのか?」
「残念ながら。…でも、好きな人はいますよ」

隣から伸びた左手が、私の右手を掴んで。

「片想いなんですけどね」

指を絡めてくる。
隣に視線を向けられず、毛利先輩の方へと顔を向けて。
逃げようとする手は何度も追いかけられてはどこか強い力で逃れられなくて。







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