【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第17章 これから※微裏
お風呂からあがり、零好みの下着にお揃いのバスローブを着て。
零がキッチンに立ち、私はウイスキーを用意した。
…“バーボン”。
それを選んだ私に、零は小さく笑っていた。
「いただきます」
お摘みのような軽食を並べて。
向かい合うのではなく、隣に寄り添うように座り肩をくっつけては笑い合う。
そんな甘い時間に幸せを感じて。
「…○○、酔ってないよな?」
「大丈夫」
そろそろ話そう、と零が肩を抱いてキスをしてくる。
…キスの甘さに蕩けそうな気持ちになるのは、お酒のせいにしておこう。
「……○○には関わって欲しくない」
何度目かのその言葉は、拒絶じゃなくて愛情だと今ならわかる。
「でも、…隠すことで○○は追い詰められてたんだよな」
そうじゃない、と喉元まで出ては堪えて。
「……○○に別れを告げたのは、公安に入るってあの時に決まってたからだ」
それから、零はゆっくりと話した。
たくさんの人と事件とテロと、世間を騒がせたニュースには、零が関わっていて。
そして
「あいつのこと、覚えてるよな」
“あいつ”
そう…警察学校時代の、親しく付き合った友人の一人。
「ヒロくん?」
「……お前のその呼び方は未だに嫉妬する」
何で、と笑ってしまって。
彼も事故で死んだと聞いた。
でもそれは…あくまで表上。
零が潜入捜査している“黒ずくめの組織”の存在。
そして、そこで“スコッチ”と“バーボン”と呼ばれていた…存在について。
彼の死は、私が知っている話とは異なっていた。
スコッチと呼ばれていた…私たちのかつての友人は、潜入捜査をしている公安ということがバレて…FBIで同じく潜入していた“赤井秀一”に殺されたのだという。
正しくは自害、だけれど。
「…だから俺は、アイツが許せない」
許さない、と零は拳に血が滲むほど強く…
「零…、…だから、私に関わるなって言ったの…?」
繋がっていく。
零は、大事な友人を目の前で失って…同じことを繰り返すまいと、…
「…組織から脱走した女がいて、その処分を行なったのがベルツリー急行だったんだ。○○が見かけた女も…組織の一員だ」
零は、どれだけ悔やんだのだろう。
殺したくなかった、そう…零の後悔が伝わる。
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