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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第2章 架空の“彼氏”


「事務所を辞めさせていただけませんか」
「…どうして?飽きたか?」
「飽きたって…そんなことありません。実は、彼氏と結婚することになって」
「彼氏いたのか!それはよかったな〜」

寂しいがそれなら仕方ない、と笑顔になってくれた先輩に安心を覚えた。
頭をくしゃくしゃに撫でられて幸せな気持ちになる。もう少しこの人のそばで、働きたかった。

「いつ辞めるんだ?」
「早い方が助かりますが、先輩のパソコンデータまとめたりとかもありますから来月か再来月あたりには」
「そうだな」
「毛利先輩も早く奥さんと仲直りしてくださいね」
「うるせー」

大丈夫。
あと1・2ヶ月以内に終わらせれば、零とは距離が置ける。
毛利先輩に彼氏がどういう人なのか紹介しろなんて言われてるところを笑いながら誤魔化していれば、コンコン、と事務所の扉がノックされて勝手に開いた。

「毛利先生、こんにちは。お昼とられましたか?」
「安室、さん」
「おー、お前か。どうした」

ご一緒にいかがですか、とサンドイッチが並んでいるお皿を見せてきて。

「もうそんな時間か」
「…お昼ですね。私お弁当持ってきてるので外で食べますよ」
「まぁまぁそう言わずに一緒に食べましょうよ、○○さん」
「そうだな、いつもここで食ってるし気にすることねーぞ」

逃げようと荷物を持った私の前に立ちふさがる笑顔の安室透を睨みつけて。
先輩にそんなことを言われると外に行くわけにも行かずにソファーに腰をかけた。
毛利先輩と話しながらわざわざ私の隣に座る男を軽く睨む。

「○○、どうした?」
「いえ、なんでもありません」

鞄からお弁当箱を取り出して机に広がるサンドイッチを前にするのは、なんだか恐縮で膝の上にお弁当箱を広げた。

「美味しそうですね」
「○○の弁当は美味いぞ。たまに分けてもらってるが」
「先輩がお腹空いたっていうのに何をするにもめんどくさいと言い出すから渋々分けてるだけです」
「言ったな」
「言いました」

べー、と舌をだせば先輩に笑われるのはいつものことだけど。


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