第6章 初対面にて爪を立てろ
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翌日は、臨時休校となった。
皆が体や精神を癒し、休めている中────…
とある生徒は、どこかに電話を掛けていた。
「もしもし?私だけど」
『────』
「ああ、報告だよ。今日は臨時休校になったんだけどさ、その理由…ニュースで見るより、私が直接話そうと思ってね。みんないるよね?スピーカーにして」
『──。──────?』
「うん、敵連合って名乗ってたのは本当だよ。
多分実行のリーダーは死柄木弔って奴で、黒霧っていうワープゲートの個性によって侵入した」
『───?─────────』
「私はね。あんな半端なのでオールマイトを殺せるだなんて思えない…誰か後ろについてると見た。死柄木は自信満々だったみたいだけどね」
『──────』
「あ、でも、その死柄木って奴は気を付けた方がいい」
『──────?』
「あの死柄木って奴、お兄ちゃんに触れた瞬間、腕を壊したの。個性何かはわからなかったけど…やばいよ」
『──────────────』
「よく言うよ、汚いって嫌な顔する癖に」
『──────』
「えぇー。正直、会いたくないってのが正直なところだよ」
『────────』
「ははは。
ところでさ、体育祭には来てくれるの?」
『──────』
「みんなも駄目?」
『────────────』
「そっかー。仕方ないね」
『──────』
「いいよ、そんなの。
ま、目立ちすぎないように適当に頑張るよ」
その瞳が、何を映すか。
それはまだ、本人以外に知る者は1人としていない。