第6章 初対面にて爪を立てろ
バタン!
外とUSJとを繋ぐ扉が勢いよく開いた。
「みんな大丈夫!
私が────────来た」
身の危険を感じ、青年の個性を奪おうとしたその時。
オールマイトが、助けに来たのだ。
──オールマイト。
彼の姿を見て。
ああ、これがヒーローなのかと。
自分はオールマイトのファンでも何でもないはずなのに、安心してしまって。
「あの脳無って敵、超力とダメージ吸収、再生の個性持ちです。…気をつけてください」
思わず、素を出してしまった。
しかし、皆がオールマイトの登場に喜んでいて、誰も終綴の冷静さには気づかない。
オールマイトでさえも。
怒りのあまり、自分の不甲斐なさの余り──────それに、気付くことはできなかったのだった。