第6章 初対面にて爪を立てろ
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敵連合、ねぇ。
誰かが呟いた。
他クラスだったら可能性はあったのにな。
誰かが笑った。
その通りだ。
誰かが頷く。
青年が言った。
あいつがいては、勝てるものも勝てない──────
オールマイト殺しが目的とは。
誰かが呟く。
ヒーロー殺しが関係しているのか?
誰かが首を傾げた。
オール・フォー・ワンという可能性もある。
誰かが呟いた。
あの伝説が?
誰かが訝しむ。
しかし、その会話が結論にたどり着くことはなく──────さて、と青年は腰を上げた。
カツ、カツ、カツ…
足音を響かせ、青年は男たちを連れて部屋を出ていった。