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水面下の梟【ヒロアカ】

第6章 初対面にて爪を立てろ







「あなたの個性、オールマイトに似てる」






「!!!
そそそそうかな!?いやでも僕はそのえー」
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるアレだぜ」

慌てる緑谷をよそに、切島がそれを否定する。
終綴は緑谷のことを、じっと見ていた。

「しかし増強型のシンプルな個性はいいな!
派手でできることが多い!」

しかし緑谷の様子には気付かず、切島は羨望の言葉を口にした。

「派手で強ぇっつったらやっぱ轟と爆豪と依田だな」

爆豪はそんなクラスメイトの言葉も、「ケッ」とまるで取り合わない。
モブから何を言われても嬉しくねぇ、くらいには思っていそうだ。

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

蛙吹は果敢にも、そんなことを言う。
歯に衣着せぬその物言いに、緑谷はぎょっとしている。

「んだとコラ出すわ!!」

蛙吹の言う通りにキレ、ぎゃんぎゃん吠えている。
先程までの冷めた態度は消え去っていた。

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげぇよ」

上鳴も茶々を入れ、爆豪は更にキレている。

「でも、終綴ちゃんは人気出そうね」

ケロケロっと続けると、周囲は一斉に頷いた。

「あーわかる!単純な強さだけじゃねぇもんなー」
「先生達とも仲良いし!」

つまりは爆豪と違って、コミュ力が高いと言いたいのだろう。
爆豪は苛立たしそうにムッとしていたが、もう何も言うことはなかった。
終綴はなぜかこの話題にはあまりノッてこなかったが、クラスメイトたちは勝手に盛り上がる。



しかし、




「もう着くぞ」



相澤の声にバスの空気は一気に締まり、そうしてヒーロー基礎学が始まった。



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