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水面下の梟【ヒロアカ】

第20章 水面下での謁見と


***
「入りたい事務所はあるのか」
「…へ?」

職場体験最終日。
否、ヒーロー殺しと遭遇してからはろくに活動らしいものもできなかったが、それでも、エンデヴァーは確かにそう言った。

相変わらずの威圧感だが、尋問ではなく質問のように思えて、終綴は首を傾げた。

「入りたい事務所って…卒業後のことですか?」
「そうだ」

それ以外に何がある、と鼻を鳴らす。

「特にないですけど」

なぜ。
No.2ヒーローともあろう者が、なぜ自分を気にするのだろうか。
エンデヴァーがNo.1に固執しているのは知っているがしかし、自分は体育祭で優勝したわけではない。
自分に執着する理由はないはずだ。

「お前がこの事務所に来たのは、ただNo.2という肩書きがあるからだろう」
「…………」

否定はしないが。
だから何だと言うのだろう。
自分がこの事務所を選んだ理由など、この男に関係あるとは思えないけれど。

「…いや、話す気がないならいい」

すまなかったなと、らしくもなくエンデヴァーは軽く謝罪した。

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