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水面下の梟【ヒロアカ】

第20章 水面下での謁見と


***
パチリ

終綴は、小鳥のさえずりに目を覚ました。
夜明けが近いようだ。
締め切ったカーテンの隙間から、僅かに夜明けの藍色が覗いていた。

​───そろそろ学校も復帰しなくちゃ。

何日か学校を休んだけれど、さすがにもう行った方が良いだろう。
家業の手伝いも、暫くは必要なさそうだ。
枕元から携帯を取り出す。
寝る直前、浮かび上がった嫌なメッセージが夢であることを願う、​────けれど。

「…ばか」

電源を入れ、メッセージアプリを起動する。
どうやら昨晩のメールは見間違いではなかったらしい。

『わかった』

それだけを返し、携帯をしまう。
気をつけてねなんて言う必要はない。
彼なら、絶対に大丈夫だから。
ベッドからゆっくりと起き上がり、クローゼットの扉を開いた。

仮免試験以降1度も着ていなかった制服に着替え、またベッドの縁に腰を下ろす。
まだ時間はあるが、準備は早く済ませておきたかった。
準備はなるべく早めに済ませ、ギリギリに着く。
それが、終綴の習慣になりつつあることだった。

ふう、と息を軽く吐いてから、また終綴は携帯を取り出す。
チャラ、と華奢なキーホルダーが揺れた。

終綴が学校にというか、あまり部屋から出ていない間、麗日を中心として、女子達から今日はどんなことがあったとか、そんなメールを毎日もらっていた。
ざっと目を通し、呟く。

「ヒーローインターン、ね…」

ふぅん、と頷く。

​───バイトのようなものか。

クラスメイトも行くのだろうか。
職場体験で得たコネを使ってとの話だから、自分が行くとしたらエンデヴァーの事務所になるのだろうか。

「エンデヴァー…か」

ありがとうと律儀に返信をしながら、終綴はエンデヴァーとの会話を思い出していた。


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