第19章 フクロウは舞い降りる
黒髪少年を紹介した後、ねじれは後輩達の外見について、気になることを一つ一つ訊いていく。
「けどしかしねぇねぇところで、君は何でマスクを?風邪?オシャレ?」
「あらあとあなた轟くんだよね?
ね!?何でそんな所を火傷したの!?」
「芦戸さんはその角折れちゃったら生えてくる?動くの!?ね?」
次から次へと溢れ出るその質問には、答えは不必要なのだろうか。
生徒達が答える前に次の質問に飛び、しかも誰も止めないから手に負えない。
「合理性に……欠くね…………?」
我慢しきれなかったのか、相澤がゆらっと睨みつけた。
ミリオと呼ばれた少年は、慌てて「安心してください」と大きなジェスチャーでアピールした。
「前途ー!?」
「「「……………」」」
「多難ー!っつってね!
よォしツカミは大失敗だ」
何がおかしいのか、ハハハと楽しそうに笑うミリオ。
何を言っているのか、意味がわからない。
この3人変だな、と漸く理解が追いついたのか、後輩達は不安げな表情だ。
風格が感じられない、と軽んじているような発言も見受けられた。
しかし、そのような言葉は慣れているのだろうか。それとも予想済みだったのだろうか。
どちらでも問題ではある気がするが、ミリオは笑いを止めた。
急に真顔になり、声が低くなる。
「必修ってわけでもないインターンの説明に突如現れた3年生…訳わかんなくて当然さ
で、えーと君たち…1年生から仮免取得だよね………ふむ」
彼が何を企んでいるのか。
付き合いの長い2人は気付いたのだろう、ねじれと天喰はミリオを見つめた。
「君たちまとめて、俺と戦ってみようよ!」