第19章 フクロウは舞い降りる
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消灯時間をとっくに過ぎたというのに、生徒たちの部屋の明かりがまだ点いている。
雄英は、それほど校則に厳しい学校ではない。
消灯時間も、設けてはあるが、翌日に遅刻さえしなければいい、というくらいの軽いものだ。
しかし、少し今日は勝手が違った。
終綴から、「もう復活した。多分」という連絡が来たからだ。
彼女にしては珍しく絵文字もスタンプもない単調なメッセージ。
まだ体調が優れないなら休め、とメールするも既読はつくのに返信は来ず。
不審に思い寮前まで来ると、電気がついているのは終綴と────爆豪の部屋。
普段なら、爆豪は21時前に就寝している。
2人の組み合わせに嫌な予感がして、相澤はエレベーターに駆け込んだ。
そして、「4」のボタンを押したと同時に、ガタンと派手な音が聞こえてくる。
嫌な予感は大きくなる。
───何が起こってる?
エレベーターが該当階に止まり、ドアが開くと同時に相澤は飛び出した。
爆豪の部屋のドアが開いている。
「やめろって言ってるだろ!?」
緑谷の声が、廊下に響いていた。