第15章 夜明けの前兆
「さて!」
皆が夕食の片付けを終えたのを見届け、ピクシーボブは生徒達に声をかけた。
「肝を試す時間だよ!」
やっほーい、と騒ぐのは芦戸を筆頭としたA組の賑やかし要員。
しかし
「たいへん心苦しいが…補習連中は、これから俺と補習だ」
相澤の淡々とした死刑宣告に、ウソだろ!?と再び芦戸。
誰より楽しみにしていたのが彼女であることをクラスメイトたちは皆知っているため、引きずられて行くのを苦しそうに見守っていた。
「…では、気を取り直して!」
そう説明を始めたのはマンダレイ。
ここで補習組について触れないのが、彼女なりの優しさだろう。
「2人1組で3分おきに出発、ルートの真ん中にある名前を書かれた札を持ってきて帰ること。所要時間は大体15分ね」
ペア決めに、それぞれのクラスに用意されたクジを引いた。
「良かったぁ、梅雨ちゃんと一緒や!」
「お茶子ちゃん、一緒に頑張りましょう」
「闇の饗宴…」
「おっ…爆豪と一緒か」
「アァ!?
おい尻尾…代われ…!」
「青山ぁぁ…オイラと代わってくれよ……」
結果に喜ぶ者憤る者、それぞれがそれぞれの反応を見せたが──────