• テキストサイズ

水面下の梟【ヒロアカ】

第15章 夜明けの前兆



「おかしい…?」

不思議そうに首を傾げてみるが、峰田は堰を切ったようにべらべらと喋り始めた。



「雰囲気っつーのかさぁ…なんか、たまに人殺しちまいそうな目ェしてんだよ!
すぐ人の急所狙うし、容赦ねぇしよぉ…」



同い年だとは思えない。

素人だとは思えない。

ヒーロー志望だとは思えない。

そう言いたいのだろう。

「酷いなあ、峰田は。
私を殺し屋か何かだと思ってるわけ?」

「個性把握テストん時は、なんか、スゲー怖ぇ奴だなって…思ったけど…今考えてみれば、USJも、あんな動けんのおかしいだろ!?」

「爆豪や轟だって、強かったし動けてたよ?緑谷だって」

終綴は否定するも、峰田は止まらない。

「木椰区の時だって…なんであのタイミングで予定なんか……おかしいだろーがよぉ!?」

「……………」

「おまえなら、脳無倒せたおまえなら、…USJん時、死柄木を倒せたんじゃねぇのか?
なぁ…依田があの時敵の集団に飛び込んだのは、……あいつが殺されないように守るためなんじゃねぇのか…………!?」

怖いのに変わりはないのだろう、涙がとめどなく流れている。
それなのに、そんなに終綴を怖がっているというのに、この男は、言葉を止めようとしない。

気付いていないフリをして、警察や教師に密告でも何でも、すればいいというのに。

否、思い返せば、期末テストでの態度は普段通りだった。

ということは、彼も演じていたということなのだろうか。見た目に似合わず彼は成績も優秀みたいだし、考えているのかもしれない。

自分はクラス中から信頼を置かれている。そんな生徒が敵かもしれないなんて、混乱を来すだけだ。それを、峰田もわかっているのかもしれない。

もし暴露したところで、それが信じてもらえるかなんて保証は全くないのだから。
自分の日頃の行いを、彼自身も理解しているらしかった。



/ 287ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp