第14章 欲しがりと少年
「自分の足で施設までおいでませ!」
頭上からそんな声が聞こえる。
───めんどくさっ。
内心そんな悪態をついたが、終綴はヘラリと笑う。
「頑張るしかないって事だね」
「そうだな、文句言ってもしゃあねぇ」
「雄英はほんとこういうの多い…」
何人かが頷き同調する中、
「「マジュウだーーーー!!?」」
上鳴と瀬呂の声が響く。
ばっとそちらを見ると、そこにいたのは獣だった。
───気配がない…
なぜ、と思うもよく見れば土くれが零れつつある。
───なるほど、土でできた獣か。
ピクシーボブの個性なら作るのは容易だろう。
しかし、終綴は動かない。
───お手並み拝見といきますか。
さり気なく後ろに下がって、クラスメイトたちの動きを観察する。1番に動いたのは緑谷だった。
後を追うようにして、飯田・轟・爆豪も動き出す。
それぞれの個性が炸裂、─────とはいっても轟はやはり右側しか使っていないが─────土魔獣は一瞬にして攻略された。
───やっぱこの4人、動きがいい。
───欲 し く な っ て き ち ゃ う