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水面下の梟【ヒロアカ】

第14章 欲しがりと少年


***

相澤たちが見えてきた。
漸く終わりかと安心する中、爆豪はちらりと後ろを見た。

​───何、考えていやがる。

このクラス、否、学年では屈指の実力者。
それが何故、「何もしない」のか。

後ろから観察するように眺めていた。

本当に何もしなかった訳ではない。
時折後ろから来る敵を、軽くあしらったりはしていたけれど。

でも、所詮はその程度。

​───それに、今日はまだ個性を使ってねぇ。

個性を使えなくなった、というクラスメイトは誰一人としていなかった。

ということは、終綴は個性を使っていない。

ヒーロー科に在籍しているというのもある、自衛には普通個性が使われるはずなのだ。
というか、入学してからの4ヶ月間、そうやって教えられてきた。

それなのになぜ。

なぜ、彼女は個性を使わないのか。

使い慣れていない訳はない。


どういう訳か彼女は自分の個性について話すことが少ない。
クラスメイトの個性については知りたがり分析する癖に。


知られる、というのがハンデになるのは判る。

しかしそれはプロになってからも同じはずなのだ。
というか、プロになってからの方がハンデとしては大きい。

ヒーローは知られていても、敵の個性は知らない事例の方が多いのだから。

だから、その訓練としても有効な筈であるのに。

他人の個性を使える、という個性なのはわかる。
物間のようにコピーなのかもしれない、と爆豪はあたりをつけていた。

緑谷は何か知っている風だったが、あの幼馴染に聞いてまで知りたいとは思えなかった。
































「いいね君ら…特にそこ4人」

ピクシーボブが指差すは、爆豪・轟・緑谷・飯田。
​その「4人」に終綴が含まれていないことに相澤は違和感を覚えたが、何も言うまい。

「…部屋に荷物運んだら食堂にて夕食、その後入浴で就寝だ。
本格的なスタートは明日からだから、早くしろ」

ここに着いてから表情が険しい、爆豪が少し気になった。



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