第14章 欲しがりと少年
窓際から順に、蛙吹・麗日・終綴で並ぶ。
しかし、計算外だったのは後ろの席だ。
「……………」
チリ、と感じるのは爆豪の視線。
やはり、疑うような目で見てくる。
バスに入った順に後ろから詰めていくという形だったので、前後の席になってしまったのは本当に偶然だけれども。
それでも、良い気はしない。
爆豪が鋭い観察眼を持っていると知っていれば尚更である。
───早めに手は打つべきだよね。
ふぅ、と息を吐いた。
爆豪は自分の考えを他人に無闇に吹聴するような男ではない。
だから、自分について何か思うところがあったとしても、誰にも話していないだろう。
それは終綴にとって好都合だった。
───あいつの個性、良いもんね。
───貰うってのも、……
場合によっては、家族を頼る事になりそうだと考えながら。