第14章 欲しがりと少年
林間合宿当日。
バスに乗る際B組と鉢合わせ、クラスメイトたちはわいわいと騒いでいる。
「コピー」の個性を持つ男はA組に恨みでもあるのか、赤点がいることに関して煽っている。
───どこに座ろうか…
それを横目に見ながら、終綴はうーんと考え込んでいた。
無闇にスマホを開くつもりはないが、連絡は常に取れる状態にしていたい。
───とりあえず、葉隠はだめだ。
画面を覗きこまれるのは困る。
透明だと、分からない可能性があるからだ。
気配でわかる気もするが、念には念を、だ。
「終綴ちゃん、一緒座ろ?」
「一緒に座りましょ」
そんな中、麗日と蛙吹が声をかけてきた。
本当なら上鳴だと都合がいいのだが、彼は既にペアを決めてしまったようだ。
───まぁいいか。
この2人なら距離感も掴めるし大丈夫だろう、と思い頷く。
「うん!
一緒お喋りしよう!!」