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夢繰り屋 凛 第五章

第6章 お母さん。


…ビックリした。
…これは、一体…。

「ママ。ママ~。」

突然、彼が腕の中で暴れだした。

「えっ?何?どうしたの?」

落ちそうになる彼をしっかり抱き直した。

「ママ~。ママ~。」

彼の視線の先には…公園があった。

「ん?公園に行きたいの?」

下に降ろした彼は、一目散に公園へと駆け出した。
今にもコケそうでハラハラした。

満面の笑顔で遊ぶ姿。
途中、何回もこけては泣き、起こしてあげてはこけ…。

滑り台は階段が危ないし、結局一緒に滑り、
砂場では、口に砂を運ぶのを阻止し、
ブランコでは、支えながら乗せてあげ…。

一通り遊び終えた時には…私はヘトヘトだった…。

なんで小さい子って、あんなにタフやの…。

嬉しそうに私をママと呼び、
遊んでいる彼を見ていて、
私は自分の母親に感謝した。

きっと、私もこんな風に遊んでもらったんやろう。
…色々とお母さんとの事を思い出していた。

そして、母親との思い出を
一つも持っていない彼を見て…胸が締め付けられた。


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