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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第14章 運命の番(過去編)1.5


「今日泊まっていっていい?」
「いや、駄目だろ」
「あはは…流石に未成年の家に泊まるのは警察官としても余りいい印象じゃないでしょうし。そうですねー…私が成人した時に祝ってくれませんか?」
「!…春枝ちゃん。あのっ…それって…」
「!…春枝本気にするぞ。嫌がっても無理矢理入るからな?」
「えぇ、皆さんで祝いに来て下さい…経った数年の間です。だから…待って貰えませんか?」

あくまでも今は番候補。けれども春枝ちゃんははっきりと約束の言葉を述べてくれた。数年の間は俺達の傍を離れはしない、成人するまで傍にして欲しい。その時に貴方の番に必ずなるから待っていてくれないか。そう聞こえたような気がした。松田も直ぐに理解したのか、にやけてしまう顔を必死に我慢しており、俺自身も歓喜するようにコクコクと頷いた。

ーーー。

「明日も必ず来るから!デートしよう!」
「お前なぁ…」
「ふふ…いいですよ。私も明日休みですし」
「はっ?まじで?だったら俺ともデートしろよ」
「いや、松田…お前は明日普通に仕事だろ」
「何がなんでも有給もぎ取って来る」
「私はお二人のことをもっと知りたいですから。あぁ…なんでしたら明日は私がお二人をリード致しましょうか?」

物語に登場する王子のように、俺と松田の手を添えてにっこりとイケメンオーラを全開にして微笑みかけられる。動悸と息切れが凄い…胸を押さえて理性と欲望の狭間でグラグラと揺れていた。眩しい、α性が強過ぎる。例え春枝ちゃんが男でも俺はきっとこの子に恋をするだろう…そう直視出来なくて顔を背ける俺達に向かって「可愛い処理班の姫君ですね?」と手の甲にそっと口付けを落とされた。

「あぁうん…無理…俺のαが強過ぎる」
「ふざけんな、イケメンかよ…惚れ直すわ」
「「キュンキュンじゃないな、ギュンギュン来るわ」」

松田と目を合わせて、春枝ちゃんを見ればきょとんと可愛らしい顔をしてまた笑みを零す。明日迎えに行きますね?と伝えられた。ドアを開ければいつの間に呼んでいたのか、コンシェルジュの美女が深々と頭を下げる。

「お帰りになります、お願いね?」
「かしこまりました、春枝様」
「明日、連絡しますので…なんでしたらモーニングコールしましょうか?」
「「は?最高かよ、是非ともお願いするわ」」
「ふふ…はい」
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