第13章 運命の番(4)…萩原研二>>2
寝息が聞こえて来た為、春枝の匂いを嗅いで乳首に触れつつ下へと手を伸ばす。彼女には触れてはいけない、寝ている子を起こすのは余り可哀想だからだ。
「ぅ、ん…はぁっ…春枝…っ」
「すぅ…」
匂いと視界をオカズに自身を取り出し、上下に擦る。気持ちいい…それにしてもまさか恋人とかに困らなかった俺が、目の前で休んでいる春枝に対して一途に想う。手も出せないで自慰行為なんて…可笑しな話だ。
「はっ…はぁ、ん…ふっ…」
先走りが指を擦るほど、ぬちゃぬちゃと滑りが良くなる。中が濡れて指を入れたい、春枝に犯して欲しいと体が小刻みに腰が揺れた。俺の荒い息遣いに、春枝は起きないだろうかと興奮と背徳感に生理的な涙を流しまつ毛が震えた。だが逝けない…気持ちいいのに、中が疼いて逝けないのだ。春枝に犯されてからというもの、女性すら抱けない体に作り替えられてしまったようだ。いや…といっても春枝に出会ってからは、彼女のことだけを愛しているから浮気することはないのだけれど。
「春枝…春枝っ、春枝…」
逝きたい、逝きたい…奥に欲しい。そう中へと指を入れてグチュグチュとバラバラに指を動かした。でも届かない…物足りない。春枝のセックスはもっと激しく、気持ちいいところをピンポイントで突いてくれるのだ。俺の汗でベタついた髪を撫でながら可愛いと微笑んで攻め立てる、助けを求めるように春枝の匂いを嗅いで首筋へと顔を埋めた俺は謝った。
「ごめん、ごめんっ…春枝っ…ふっ、ぁあ」
「んっ…」
「っ!」
ビクリと肩を揺らす。春枝を起こしてしまっただろうか。しかしどうしようと焦る気持ちは既になかった。欲しい、春枝が。春枝に犯して欲しい。中が疼く…そう何度か瞬きして未だに寝惚けている春枝の唇にキスをした。舌で唇を舐めれば、目を見開いた春枝はなにか俺に伝えようと口を開いたが、お構い無しに舌を捩じ込んだ。お互いのくぐもった声と、αの匂いにクラクラする。舌を絡めようとすれば簡単に捕えられてしまい、いつの間にか俺の方が翻弄されていた。
「んっ…はぁ…春枝っ…」
「はぁ…一体どうしたんです?」
「っ…奥に入れて欲しい、疼いて仕方ないんだ」