第11章 運命の番(2)…松田陣平>>2
「ぅあっ…はぁ、春枝…」
「ワイシャツの上からでもたってますよ?透けて可愛い乳首がよく見えますね?」
「!、はぁっ…も、やめろって…」
「嫌です」
にっこりとハートマークがつくくらいの可愛い声で嫌がられ、またぺろぺろと舐め始める。布越しに舌が擦れ、焦れったい気持ちよさがじわじわと襲う。もう片方の指では弄ばれて乳首を弾かれたり引っ張られたりとじくじくとした痛みが襲う。その痛みにすら感じてしまう俺はMじゃないと思いたいのに、中はぐちゃぐちゃに濡れてしまっていてガチガチに勃起してしまう自身に正直な体が憎らしかった。
なにより視覚的にやばい…触り方や舐め方など俺を気持ちよくさせようとご奉仕する春枝の妖艶な笑みにクラクラする。春枝のαの匂いは麻薬のような効果があるに違いない、一度その匂いが嗅いだらやみつきになり後戻り出来なくなるのだ。春枝も興奮しているのか、αのフェロモンが漏れておりΩの俺を刺激する。触らなくても匂いだけで逝ける気もするが、それは俺のプライドが許さなかった為、人差し指の第二関節らへんを噛み必死に声を我慢した。
「ちゅっ…はぁ…陣平さん、手痛みますよ?貴方の手は人を救う大切な手ですから怪我はいけません。噛むなら私の指でどうぞ…ね?」
「ぁ、んぐっ!…んんっ…ふっ…」
指を離されたと思えば、春枝の白く細い人差し指が口の中へと入って来た。春枝を見上げればうっとりと目を細めており、舌の上で指を上下に動かして来る。爪で軽く舌を引っかかれゾワゾワ感じてしまい、怯む俺は生理的な涙を流しくぐもった声を出した。けれど春枝は止めるどころか寧ろ中指を入れて来て増やして来る。指フェラと言えばいいのか…学生の頃とか、春枝に会う前はβだった俺は元カノにされた事があったなと思い出す。一瞬考え事をしていた俺に対して、先程までいやらしいくらいに微笑んでいて楽しげだったのに、春枝の表情は恐ろしいほど真顔になった。そしてまた口角を上げ作り笑いを浮かべられる…美人を怒らせると怖いと聞くが、本当にその通りだなと冷や汗が止まらない。
「私と今セックス中なのに考え事ですか?随分余裕があるんですね?」
「あ、いや…そういう、わけじゃ…」
「私以外のこと、考えられなくしてあげますね?」
その言葉に中が濡れた。