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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第9章 運命の番(過去編)4


「流石景光さん、着くの早いですね?」
「車急いで飛ばして来たからな…」

どっと疲れた顔をして、玄関の前で大きく吐息を漏らした景光さんの色っぽい表情にドキドキする。キスをしたい衝動に駆られてしまい、私は景光さんの唇にキスをした。触れるだけのキスをして、そっと離れる。招き入れる私に向かってドアが閉まる瞬間に、体を引き寄せられ正面から抱き締められた。景光さんの匂いに包まれてうっとりしてしまい、惹かれ合うようにまたキスをしてしまいそうになるーー…ところで零さんが登場した。零さんはにこやかに仁王立ちしており、景光さんの背中をバシンッ!と叩く。かなりいい音が聞こえたなと他人事に思うと同時に、痛みに耐えながら玄関先で座り込む景光さんがいて、私の腰に抱き着いてスリスリして甘えて来る景光さんにデジャブを感じた。

「春枝…ゼロがいじめる」
「あはは…よしよし」
「春枝…俺達はお前の番だがその前に男だ。余り距離が近いのは…」
「捜査官だから、という感じですか?」
「それもそうなんだが、そういうことじゃないというか…」

上手く言葉を伝えられない、そう少しばかり難しい顔をして私をみる。その零さんを手招きして、近付く彼にそっとキスをした。うっそりと笑って柔らかい金髪を撫でる。困ったように目を細められて、とろりとした顔で私を見下ろして来る。私の腰に両腕を回し抱き締めて来る景光さんの頭を撫でつつ、するりと耳に触れて弄ぶ。くすぐったいのか身をよじる景光さんは最高に可愛らしかった。そしてまたデジャブを感じたのは内緒である。

ーーー。

「はい、お二人ともスーツ脱いでベッドに寝て下さいね?川の字です、はいはいっ!」
「寝るって…や、やっぱり…寝るのか?」
「ここまで来たのなら諦めろ、春枝は頑固だからな…」

丁寧に上着のスーツを脱がす私へ、新妻かよ…好き。と景光さんの声が聞こえた気がするが気にしない。零さんも脱がせて欲しげな視線を感じ取り、景光さんの上着をハンガーにかけてから零さんの上着へと触れて手を掛けた。

「松田と萩原に自慢しよ、俺の新妻が可愛くてしんどい…」
「景光、敢えて煽っていくスタイルは嫌いじゃないぞ」
「喧嘩になりますからやめましょうか」

というか陣平さんや研二さんに新妻プレイしたいって駄々をこねられそうな気がしてならない。気が済むまでやりそうだ。
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