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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第9章 運命の番(過去編)4


三日…そう狼狽える声で私にいった零さんは、先程まで真っ赤に頬を色付かせていたが今は冷や汗をかいて目を泳がせていた。にっこりと口元に手を添えて優雅に目を細める、ちなみに景光さんは何徹夜目なのだろうか…組織を壊滅させる前に過労死するんじゃないだろうかと思えるくらいの壮絶な激務に、胃がキリキリと痛む。

「景光さんも今直ぐ来て貰いましょう」
「えっ、いや…」
「拒否権はなしです、どうせ部下の方からも休め、働き過ぎだと言われているんじゃないですか?」
「……」

図星か。流石の私も真顔になる。景光さんに連絡しようと携帯を持ち連絡を入れた、するとワンコールで電話に出た景光さんは流石と言えばいいのか…その可愛らしさについ笑ってしまう。

「景光さん、私とお家デートしませんか?」
「えーと…またいきなりだな。それに俺今仕事中だし…」
「どうしても…駄目ですか?もし来て頂いたら、私と一緒に寝ましょう?」
「はっ!?」
「ごほっ!」

景光さんは大声で驚きの声を上げた。隣では激しく吹き出して噎せた零さんがいる。一瞬車が反対車線を乗り出したから、私も目を丸くして零さんを見上げて驚いた。零さん狼狽え過ぎである、それで大丈夫なのだろうか…現役捜査官。それにしても電話越しから「えっ?寝る?寝る?はっ?どういうことだ?」とこちらも大変困惑している現役捜査官がいて本当に二人とも一旦落ち着こうかと思った。

「春枝…もしかして俺なにかやったか?」
「どうしてそうなるんですか」
「いや、だってさ…ハニトラかなと思って」
「罠だと思われているなんて心外です…」

ちょっとショックだ、というようなため息をつく私に零さんは苦笑いを浮かべていたりする。零さんは私に携帯を向けてと欲しいと伝えて軽くジェスチャーする。零さんのほうへ向ければ、そこにはバーボンを思い出すようなニヤリと不敵な笑みを零している彼がいた。

「お前が来ないなら春枝は俺と寝るからな」
「はっ?ちょっと待て、なんでゼロがいるんだよ」
「まぁ、色々あってな。それで…景光が来ないなら春枝は俺が貰う」
「はぁっ!?いや、お前今組織にいるんじゃ!?」
「詳しい話が聞きたいなら春枝の家に集合な」
「えっ、ぁ、ちょっ…」

その言葉の後を聞かず私は容赦なく切った、機械音だけが車内に聞こえる。二人でニヤリと笑った。
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