第8章 運命の番(過去編)3
私(高校生)
数日経ってから元βの松田陣平さんがΩに変わり運命の番だから責任を取れと言われる。私は幸せにするし責任をとるから大人になるまで待ってくれと伝える。
私(成人)
大人になり、陣平さん研二さんと番になる。ごく普通の人生を送っていたが偶然景光さんの姿を発見。命の恩人感謝永遠にと、なにかに逃げていた景光さんの姿を追い掛けて颯爽と攫う。番になってと告白した。
私(成人)
逃げていた景光さんを心配した零さんが私と居合わせている景光さんを見付けて、私へ感謝して来る。音信不通だった零さんを口説き落として番にすることに成功する。
それから陣平さん、研二さんの二人。零さん、景光さんの二人には会うが四人で会うのは今日が初めてだったりする。
ある程度ざっくりとした説明だが、私は「今ココ」とペンで円を書いた。すると三人からはその文字を見下ろしたまま「………」と静まり返り、バンッとテーブルを叩き付けて「「「納得出来るか!」」」と怒鳴られてしまった。解せぬ。
「いや、ここまで分かりやすく説明して書いたんですから納得して下さいよ。嘘偽りはありませんし…真実はいつも一つです。考えるな、感じろ」
うんうん、と頷いて景光さんがいれてくれた珈琲に口付ける。あっ…美味しい。景光さんを是非ともバトラーとして雇いたいくらいである。まぁ…相変わらず零さんと同じく公安で働いているらしいので渋々諦めようと思う。その時、コンシェルジュから携帯へ連絡が来た為、リビングから離れる。寝室へ向かい口を開いた。
「はいはい、どうしましたか…爺や」
「春枝お嬢様、旦那様からご連絡がございます」
「げっ…うーん。無視はやっぱり駄目ですかね。聞かなかったことには…」
「申し訳ございませんが私共も仕事ですので。春枝お嬢様。爆発物を発見されて一般人を避難させたことは大変素晴らしいです。ですが爆発物と共に運命の番を助ける為だとしてもご無体なことを…と旦那様は嘆き悲しんでおられましたよ。久しぶりにその美しい顔を見せて私達を安心させておくれとも仰られておりました」
父の過保護っぷりには舌を巻く。面倒くさいなと苦い顔をする私に最高級の執事長である爺やは、重い口を開いた。
「どうか無体なさらないで下さいませ…私共は春枝お嬢様の笑顔こそがなによりの薬そのものなのですから」
「…ありがとう」