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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第8章 運命の番(過去編)3


「なんでそうなるんだよ」
「それじゃあ一人でいるんですか、観覧車に…」
「おい、妙な想像をするなよ?……爆発物が観覧車にあったんだよ」
「……それ、本当ですか?」
「あぁ。まぁ…直ぐに解体してやるから、そんなに心配すんな」

私の声のトーンから直ぐに察してくれた陣平さんは、なるべく明るい声で心配するなと言ってくれたが…私は陣平さんの顔を見るまでは安心出来ずにいた。だって彼などの警察官は皆…自己犠牲が激しかったりするからだ。他人の為に平気で命を投げてしまう、そんな危うさが私は怖い。

陣平さんの声は静かになった。あぁ…もしかしてもう一つの爆発物がどこかに仕掛けられているとかいうあれですか。残り3秒でその答えが出るからとか言う?ちなみにその爆発物は私の足元にあるからして…どうしようかなと明るい声で陣平さんに尋ねて見ることにした。

「ねぇ、陣平さん…聞いて欲しいことがあるんですけど」
「悪い…面倒なことが起きた、切るぞ」
「……死ぬなんて止めて下さいね。貴方は人一倍正義感が強いし無茶をなさるから心配なんですよ」
「……っ、なんで分かるんだよ…俺が今からやろうとしてること」
「なんとなくですよ…ただ好きな運命のことならなんだって分かりますし、いつでも助けになりますとも」

陣平さんから呆れるようなため息をつかれる。そんな彼に追い討ちをかけるというのはなんとも忍びないのだが、多分私がこの場で言わないと陣平さんは結局死ぬ道へと進むだろうと思う。そんなことさせるものですか。

「ねぇ、陣平さん…私は今米花中央病院にいるんです」
「は?どこか具合でも悪いのか?」
「いいえ、いつもの発情抑制剤を貰いに来たんです…ただ偶然腰掛けた椅子の下に可笑しな包みがありましてね?」
「はっ?」
「察しがいいですね、流石は警察官です。それで私も陣平さんと同じく爆発物とランデブーなんですよねぇ…」
「はっ?」
「あぁ、大丈夫ですよ?他の皆さんは全て避難させましたし…今待合室で寛いでいるんです。シャッターが閉まっているので、死んだとしても私くらいでしょうか」
「はっ?」
「もう、さっきから陣平さん…はっ?しか言ってませんけど、ちゃんと理解してます?」

カラカラと高らかに笑って見せれば「馬鹿野郎!!巫山戯てねぇで、今直ぐ出ろ!危ねぇだろうが!!」と耳元で大声を出して怒って来た。私はすっと無表情になる。
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