第7章 運命の番(過去編)2
「いやいや!バレるだろ!?どう考えても!!」
「春枝…流石にこれは気付くだろう」
「あら、お二人は桜花グループのクオリティを知らないんですねぇ?全ての能力技術を駆使して、驚きのある死体写真を送らせて頂きますよ?組織側もびっくりです…あぁ、後写真を撮ったら景光さん。服脱いで下さいね?勿論…全部ですよ?」
「ひぇっ…」
今のネット技術を使えば死体を偽装するなんて…桜花グループにかかればどうとでもなる。昔助けてくれたお兄さんを助ける為だと両親にお願いすれば快く引き受けてくれた。持つべきものはやはり両親である、そういえば必ず番を連れて行くと言ったっきり未だ連れていけていないので、今度四人を誘って会いに行こうと思った。
にっこりと目を細めて笑う私に顔を引きつらせた二人は私のことを恐ろしいと内心思っていたそうだが、私は気付かないふりをした。
ーーー。
「これは…」
「これでスコッチさんは死にました。素敵な写真が出来たと思いません?この血糊と血飛沫とか、全て手作りで似せたものですし…CG加工などの全く雑のない素晴らしい技術、光の加減とかボヤけ方とか素人のバーボンさんが撮影したような…ねっ?とても素敵でしょう?本当に死んでいるような出来栄えで私もいい仕事をしたとすっきりです。後はスコッチさんに似せた背丈の人形を用意して燃やせば任務完了です…なので景光さんの服を燃やさせて頂きました。灰になるまで真っ黒です。それでこちらがその写真です」
「春枝が優秀過ぎて俺怖い…」
「春枝、今すぐにでも公安の協力者にならないか?」
写真と採血した景光さんのDNAを零さんに手渡せば、顔色を真っ青にして写真を眺める景光さんと、私の両肩を掴みながら公安の協力者として引き込もうとする零さんがいる。番の為ならお手伝い致しますよ?と頷けばじわじわ赤くなる二人がいた。
「俺の番がイケメンで辛い…男前かよ」
「春枝が可愛くてカッコよくて無理…結婚して」
「ふふ…勿論、必ず幸せにしますとも」
二人の手を取って自信げに笑うと、零さんは壁にゴンッと頭を打ち付けるように当てる。かなり良い音が聞こえたが大丈夫なのだろうかと見ていれば、景光さんはと言えば床へ座り込んでしまい「無理…俺もう死んだ」とブツブツ呟いていて、なにこのカオスな空気と顔を引きつらせた。