第7章 運命の番(過去編)2
だから、覚悟して下さいね?公安のお姫様方?そううっそりと微笑み、αのフェロモンを溢れさせれば顔を赤面させて視線を泳がせていた。
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景光さんにもし良ければ一緒に住みます?と軽々しく尋ねて見れば、ぱぁっ!と周りに花を咲かせる勢いで喜ばれたが、後ろから零さんにどつかれていた。痛みに耐えながら座り込む景光さんの首根っこを捕まえてそのまま引きずって行こうとする零さんはいう。
「春枝、君はもう少し危機感をもってくれ…」
「危機感…景光さんが私を襲うんですか?普通逆では?」
「そうだが、そうじゃないっ!あと君の口からそんな…はぁ、もういい」
「ふふ…零さんも食べさせて下さるなら今直ぐにでも」
景光さんの頭を撫でながら、するりと零さんの首筋に触れて撫でて見ればビクリと身体を跳ねさせて恥ずかしそうに振り払う。
「っっ!俺で弄ぶな!だから俺は君の事が苦手なんだ!」
「ふーん…でも好きなくせに」
図星を付かれたのかぐっ…と口を閉じて真っ赤になりながら睨んで来るが、可愛いだけだとほくそ笑む。私の脚に腕が回り、抱き締めて来る景光さんは甘えたような視線で見上げて来て「俺も混ぜろよー…構えよー…」と言って来て、私の番が可愛くてしんどいと顔を覆い天井を見上げた。
ーーー。
零さんと景光さんに一応、信頼出来る警察官に連絡したほうがいいと伝えた。警察側にNOCである景光さんのデータを組織側へ売った人間が紛れ込んでいる可能性もあるからだ。後は本当に危ないことがあれば、直ぐに私へ連絡をして下さいと連絡先を手渡した。今度は消さないで、私を頼って欲しいと必ず力になるからと訴えた。すると私に抱き着いて来た零さんと景光さんがいて、その体重に耐え切れず尻餅をついてしまう私は悪くない。
零さんが警察へ連絡を入れている間に、私は家へと連絡をする。景光さんの方を向いて悪戯をする子供のように微笑み掛ける。ひくりと顔を引きつらせた景光さんは少し首を傾げて見ていた。
「ねぇ…景光さん。今から死んで貰えます?」
「へっ…?」
「はっ…?」
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「はい。では先ず…血糊の入った防弾チョッキを景光さんが着て貰って、零さんがそのまま胸に一発撃って下さい。弾は入っていませんが、ペイント弾の血糊が入っていますので、リアルなの死体や血溜まりが出来ます。あぁ、後ほど採血の方をお願い致しますね?」