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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第18章 運命の番(3)…緑川景光>>3


みかずさん、沢山のリクエストありがとうございます!景光さん誘拐のモブレ寸前に…颯爽と助けるヒロイン。if設定になります。組織の幹部であり、高校生から前世の記憶持ち。景光さんを助けるためなら、悪魔にだって魂を売る覚悟…そんな話。

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緑川side。

俺が組織の人間として潜入し、ネームドを手に入れて少し経った頃。早くに取得したからか組織の下っ端にやっかみを受けていた。まさかそのせいで、強姦されそうになっている…なんてことがあっていいのだろうか。四、五人の男や女に取り押さえられ…噎せ返るほどのαやβの匂いで気分が悪くなる。触られるという行為が気持ち悪くて、必死に抵抗すればαのフェロモンで無理やりねじ伏せられた。怖い、だからα性は嫌いなんだ…触れられるなら、あの少女がいい。数年前の姿しか思い浮かばないが、きっと美人な女性へとなっているんだろう。中を暴かれる。恐怖で体を縮こませれば、ぶわりと圧倒的な強さを誇るα性のフェロモンの空気を上書きするように張り詰めた。

「なーに…やってるんです?」

声は明るく穏やかなのに彼女の濃密なプレッシャーは怒りと憎しみに満ちていてゾッと背筋が凍る。俺に多い被さっていた見知らぬαやβ達が青ざめながら後ずさりし逃げ出した、俺は体を起こすが足に力が入らない、ただただ視線を泳がせて震える体を掴み必死に我慢する。

カンパリ・オレンジ…俺が組織に潜入した時には既に彼女は幹部だった。化粧を施し女性のような振る舞いを見せるが、化粧を剥ぎ取れば随分若く未成年の少女だろうと思う。彼女はその美貌を武器にハニートラップを仕掛けて殺すという手口が多い。ベルモットとはまた別の美しさに惚れる相手は多いと聞く。

「お兄さん、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…すまない、助かった」

先程のプレッシャーはなく、優しく微笑み手を差し伸べてくれる。俺はその表情に驚くも、無意識に手を取っていた。

「今日から貴方とツーマンセルを組むことになりました、カンパリ・オレンジです。長いので…カンパリとお呼び下さいな」

ーーー。

彼女はかなり優秀だった。いつも俺に気遣いターゲットに近付くと巧みな話術や、恋をしているといった甘い雰囲気に持ち込むのも上手い。狙撃手としては止まった獲物を狙い撃ちすることは楽で…しかし俺が病みそうな時はジンに逆らってでも仕事を受けようとはしなかった。
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