第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンクスが目を覚ますと、既に朝日が昇っていた。
何時もは小鳥の声で早くに目が覚めるのだが、疲れていたのか今日は目覚めが遅かった。
身体を起こせば眠っていた小鳥は既にいない。
ここ最近、ユーリは自由に外を飛び回っているようで、その姿をあまり見かけなかった。
そのままどこか遠くへ行くのかと思ったが、彼女は何時もこの場所に戻ってくる。
彼女が戻ってこれるように、部屋の窓を開けっぱなしにしている彼も彼なのだが。
心のどこかで、小鳥が戻ってくるのを望んでいるシャンクス。
一体彼女の何がシャンクスの心を惹いているのか。
ここ最近頻繁に見る夢のせいなのだろうか。
シャンクスは暫くベットに座り茫然としていたが、不意に聞こえてきた小鳥のさえずりに身体を起こす。
そのまま足を進めれば、窓枠に止まっているユーリを見つけた。
てっきり今日もどこかへ行っているのか思ったが、違うようだった。
尻尾を揺らしながら左右にピョンピョン跳ねている。
……何やってんだこいつ
彼女の不可解な行動にシャンクスは苦笑を漏らす。
そっと窓枠に手を置いて彼女の通路を妨害すれば、不満そうな鳴き声があがった。
手をどかせとばかりにつついてくる彼女。
そんな彼女の頭を撫でてやると、シャンクスは身支度を始める。
なんとなく、夢で逢った彼女から、この小鳥を大切にするように言われた気がする。
初めて見たあの日から、シャンクスの心は彼女に惹かれていた。
だからそんな彼が、小鳥を無意識に大切に扱うのも仕方ないだろう。
シャンクスが物思いに耽りながら身支度を整えていると、小鳥が彼の肩に止まった。
どうやら今日はシャンクスに付いてくるらしい。
そんな彼女に彼は笑みを浮かべると、一緒に部屋を後にした。