第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラに滞在して早数日。
ユーリは時折、国内を見て回っていた。
体力を使わない方が修正スピードも早くなるのだが、なんとなく彼女はシャンドラという国が気になった。
その様子を呆れた表情で見ている他の古代兵器達。
だけど、結局は彼女の好きにさせていた。
今日もユーリはルフィの肩に乗り、国を見て回っていた。
隣にはエースもいて、ルフィと適当に会話しながら一緒に行動している。
彼らがやってることは、国の警護の一種だった。
何時どこから敵が現れるか分からない。
だからシャンドラの家臣と兵士達は、こうやって街の中を歩いていることが多い。
もちろんそれは警護の為だけでなく、国民の生活を見る為でもあった。
けして裕福とは言えないこの国。
だから民の声、悩み、不満など聞いておく必要があったのだ。
「何時もありがとうねぇ。これ良かったら食べておくれ」
「え!?いいのか!?」
「おいルフィ、シャンクスの言葉忘れたのか」
「え?…あー、おばちゃんわりぃ。俺たちは礼が欲しくてこの国を守ってるわけじゃねぇんだ。だから気にしなくていいぞ」
涎を垂らしながら言ってる彼には全く説得力がない。
だけどルフィは最後まで受け取らなかった。
食料はこの国にとって貴重なものだ。
家臣は戦いに備えるため、必要最低限の食事は保障されている。
だから、不必要に貰うわけにはいかなかった。
全ては、シャンドラの住む人々が少しでも裕福になるために。
婦人と別れた後も、二人は日が暮れるまで色んな場所に足を運ぶ。
二人ともいろんな人から声をかけられ、慕われているがよく分かった。
何か困ったことがあれば率先して助けに行く。
そんな二人の様子を、ユーリは興味深そうに見ていた。