第2章 中編 古代都市シャンドラ
ーーーあっ、彼はこの国を治めている国王?さんです
シャンクスの存在に気づいた彼女がそう説明した。
ーーーどうも、お世話になります
ーーーめっちゃ見てるわよ?
ーーーそりゃこの姿だから仕方ねぇんじゃね?
ーーーそもそも何で鳥の姿になる必要があるの?
ーーーそれはそちらの方が修正スピードが速いからですよ
ーーーそうだとしても、鳥じゃなくてもっと他にあったんじゃない?
ーーーいやこの場合、どんな姿でも変わんねぇだろ
シャンクスを振り返ったかと思うと、何時にもましてピッピ言いながら何かを話している彼ら。
そんな彼らにシャンクスはそっとため息を吐いた。
「あぁー、取り合えずおまえの仲間か何かか?」
ーーーそうです。暫くお世話になりますのでよろしくお願いします。
ーーーえっ、この国の国王は鳥語が分かるの?
ーーーなわけねぇだろ
ペコリとお辞儀をしたユーリと、何やらヒソヒソ話している他二人。
たったそれだけで、彼らが何を言ってるのか察してしまった。
「…別に一匹が三匹になろうが構わねぇが、流石に三匹ともあそこに寝られるとおれの場所がなくなるからなぁ」
いくら小さいとはいえ、三匹ともバラバラに散らばった状態で、朝まで踏まずに過ごせるだろうか。
他にも突っ込むべき事項があるはずなのだが、朝一で頭があまり回ってないのか、どうでもいいことをシャンクスは心配していた。
その後、新しい小鳥の話はすぐに広まった。
ユーリと違って他の2人は違う場所で自由に過ごしていたが、やはり鳥の存在は目立つのだろう。
何時の日か、3匹が並んでいると信号機のようだと誰かが言っていた。
よく緑色と黄色が喧嘩してるようだが、基本的には3匹とも仲がいい。
3匹が一緒にいると、歌を歌ってるかのように鳴き声をあげて話している。
その、なんとも微笑ましい光景に、彼らが人気者になるのも早かった。
シャンドラに何時の間にか揃った古代兵器。
その存在を知る者は、まだいない。