第2章 中編 古代都市シャンドラ
次の日。
シャンクスは小鳥のさえずりで目を覚ました。
あの後、小鳥はシャンクスのベットの上で眠りについた。
最初は潰してしまわないか心配だったので違う寝床を用意したのだが、頑なにその場を動こうとしなかったので諦めざる得なかった。
そして今、ベットの上にいたはずの小鳥はいなくなっている。
まだ覚醒しきってない頭で部屋を見渡すが、鳴き声が聞こえるだけでその姿を確認できない。
シャンクスはゆっくりとベットから降りると、声のする方へ向かった。
「……は?」
声のする方へ向かえば、そこには小鳥がいた。
小鳥がいたのだが…
「…何で数が増えてるんだ?」
シャンクスは唖然とした表情で小鳥が止まってる窓枠を見る。
そこには緑色の小鳥とは別に、黄色と赤色の小鳥がいた。
3匹並んで窓から街並みを見下ろしている。
更には会話でもしているのか、定期的に鳴き声を上げている彼ら。
なんとも奇妙なその光景に、シャンクスは暫くその場から動けなかった。
時を溯ること少し前。
ユーリはある約束をしていたので、仲間をこの国に呼んだ。
神殺し。通称ウラヌスと呼ばれていたユーリ。
そして同じ時期に作られた古代兵器は他に2つある。
彼らはプルトンとポセイドンと言われていた。
ユーリと同じように、当初は多く存在していたが、今となっては残ったのは一体のみだ。
3人共特に面識があったわけではないが、生き残った者同士、今後降りかかるであろう厄災に備える必要があった。
だから、プログラム修正できそうな安全な場所を見つけ次第、それぞれ連絡をいれることにしていたのだ。
ーーーやっと修正できると思ったのに、本当にこの国大丈夫なの?今にも滅びそうよ?
ーーーだよなぁー、ユーリは何でこの国が大丈夫と思ったわけ?
ーーーえ?ただの勘ですが?
ーーーまじかよ。お前未来が見えるんだろ?確認しなかったのか?
ーーーこれだけ機能が落ちてたら未来なんて見えないですよ。馬鹿なの?死ぬの?
ーーーあ゛?
黄色の小鳥の姿をしたのがポセイドンで、赤色がプルトンだ。
ユーリの言葉に赤い鳥が驚いたように振り返り、黄色い鳥がユーリを小突く。
そんな奇妙な光景を、シャンクスは黙ってみていた。