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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第1章 前編 赤髪の皇帝 白髪の少女



そして月日はあっという間に流れていった。

子供から大人に変わり、短かった白い髪も腰まで伸びていた。
度々レイリーから容姿を褒められることがあったが、生憎この島には私たち以外の人間がいない。

比較対象がない上に、あまりそういったことに興味のないユーリは、女としての自分を磨くよりも、ただひたすら強くなることに専念した。

そのおかげか、たった半年という期間にもかかわらず、あのレイリーに勝ってしまった。

最初は手加減していたのかと思ったが、弾き飛ばされた彼の剣が地面に刺さった瞬間、あぁ本当に強くなったんだなとしみじみ思った。

更には覇気も操ることが出来るようになり、レイリーから覇王色だと言われた。
正直原作ではキャラしか見てなかったユーリは覇気云々がよく理解できていなかった。

だがそれも、あのロジャーが使っていたものと同じと聞かされれば、何となく凄いものなんだなと思えた。

「しかしまぁ、この短期間でここまで成長するとは」

レイリーは地面に刺さった剣を抜くと、どこか関心を持ったような声でそう言った。

剣の扱いは最早一流で、覇気も扱える、そして極めつけが彼女が食べた悪魔の実の力だ。

出会った当初、どうしても治療したい人がいると言っていたユーリ。

詳しい話は聞かなかったが、レイリーはそんな彼女の為にある悪魔の実を手配させていた。



それは、再生の力だった。

まさに彼女が望んでいたその力だけに、最初はどうしてここまで良くしてくれるのか戸惑いを感じていた。

だがそれも、かわいい孫にプレゼントするような感じだと言われ、複雑な気持ちながら納得せざる得なかった。

本当にレイリーには返しきれない程の恩がある。


ユーリは大きく息を吐き出すと、目の前に広がる広大な海を眺めながら手元にある新聞を握り締めた。


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