第3章 後編 王の願い 少女の想い
それから時は流れた。
今や、海賊王に最も近いと言われているルフィ。
その彼が、遂にラフテルに到達したのだ。
島に飛び降り終始はしゃいでいる彼のその姿は、今も昔も変わらない。
それは、彼の仲間にも言えることだろう。
時折ルフィが勝手に何処かに行かないように注意しながら、足を進める仲間達。
そしてそんなことをしながら進んでいると、珍しくルフィが黙り込んだ。
彼の視線の先には大きな鐘。
「どうしたんだ?ルフィ?」
心配になるほど静かになったルフィに声を掛けたのはゾロだった。
ルフィは暫くの間鐘を見ていたが、ふと何時もの笑顔に戻った。
「ん、何でもない!それよりも先に進むぞー!」
そう言って先陣を切って進む彼は、何時もの調子戻っていた。
だから仲間達も特に気にしなかった。
まるで行き先を決めてるかのように足を進めるルフィ。
その行動に少し違和感を覚えながら着いていくと、ある部屋に辿り着いた。
「これは…」
部屋に置いてある虹色のポーネグリフを見たロビンが、驚いたように声を上げた。
実は、ルフィ達がここに辿り着くまでに、リオポーネグリフを全て見つけていた。
それを解読していたロビンはその石の詳細をルフィに話す。
「へー、そっか」
分かったのか分かってないのか曖昧な返事をするルフィ。
「んーそうだなーどうしよっかなー」
「ちょっとルフィ。ロビンの話が本当なら真剣に考えなさいよね」
何やら頭を悩ませているルフィを心配したのか、ナミが声を掛けた。
「ヨホホホ。無理に今決めずとも、何時でもいいのでは?」
「それもそうね。寧ろこんな危ない石、売って金にした方が…」
「ナミ、そんなことすれば世界が終わる可能性があるぞ」
「冗談よ。それよりも隣の指輪の方がいい値で売れそう…」
「…駄目だ」
ナミが指輪に触れようとした時、突然ルフィから声が上がった。