第3章 後編 王の願い 少女の想い
今から1000年前、ここはシャンドラと言われている王国だった。
そこを治めていたのがロジャーであり、ユーリもそこにいた。
しかしロジャーは不治の病で程なくして亡くなり、シャンドラも他国から攻め入られて滅ぼされた。
そして滅ぼされる前、ユーリとシャンドラの新しい国王が命を掛けて守ったものがあった。
それがポーネグリフと言われるものだ。
世界各地に散らばっているポーネグリフとはまた違う、一番最初に作られたポーネグリフ。
それは世界を支配できるだけの力を秘めていた。
ユーリの話を聞きながら、案内されるままついて行くシャンクス。
程なくして辿り着いた場所は、王宮のような建物。
そしてそのまま足を進めると、ある部屋でユーリは足を止めた。
黙って中に入っていく彼女について行くと、そこは普通の部屋だった。
いや、今は見るも無残な姿だが、当時はそれなりに豪華な部屋だったかもしれない。
僅かに残っている装飾品から、シャンクスはそう判断していた。
そしてユーリへと視線を戻せば、彼女はある場所で足を止めていた。
そんな彼女を不審に思い、隣に立つシャンクス。
彼女の視線の先には、虹色に輝いているポーネグリフ。
そしてその隣には、寂れた指輪と綺麗な赤い結晶が並んでいた。