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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第3章 後編 王の願い 少女の想い



シャンクスが暫く考え込んでいると、ユーリが目を覚ました。

暫く茫然としていた彼女はシャンクスがポーネグリフを眺めているのに気づいたのか、こちらに近寄って来た。

「…少し落ち着いたら、ラフテルに行こうと思う」

ユーリに背を向けたまま静かに言葉を発した彼。

「へ?ラフテルってそんな簡単に行けるんですか?」

シャンクスの言葉に当然だが困惑した様子のユーリ。

そんな彼女に彼は苦笑すると、事の詳細を話していった。

それを静かに聞いていた彼女は、納得したみたいで特に反対はしなかった。

「やっぱりシャンクスもラフテルに行ってみたいんですね」

「ん?まぁーそうだな。ロジャー船長と一緒だった時は島に降ろして貰えなかったし」

ロジャーは、ラフテルで一体何を見たのだろうか。

彼は宝とか、そう言った類のものに興味を示さないのは知っていた。

それはシャンクスも同じだ。

そんな彼が、シャンクスが何時の日か辿り着くことを期待している。

ならば、宝以外の何かを彼は見たのだろう。

シャンクスはポーネグリフをユーリに渡すと、クルーの元へと向かっていった。

どうやらこれからの行き先を告げにいくようだ。

部屋に残されたユーリは再びベットに倒れ込み、その赤い石を眺める。


まさか、こんなに早くラフテルに行けるとは思ってなかった。

ユーリは複雑な心境で、不安を払拭するように深呼吸した。

少しずつ蘇ってくる過去。

ラフテルと呼ばれている場所は、もしかしたらシャンドラではないのだろうか。

そんな考えが、ここ最近ずっと彼女の頭の中にあった。

正直、行くのが怖かった。

だが、シャンクスがそこに行きたいと言っている以上、断る理由はない。

記憶のない彼が、ラフテルに何を求めているのか。

そして記憶を持つ私が、シャンクスを導くべきか。





どちらにせよ、決着をつけなければならなかった。




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