第3章 後編 王の願い 少女の想い
続きをする、と言われても何をすればいいか分からない。
困惑した表情のユーリに、これ以上焦らされたくないのか、シャンクスから指示が出された。
取り合えず服を脱いだらどうだと言うことなので、渋々自分の服に手を掛ける。
それから下着姿になるまでだいぶ時間が掛かったが、これでも恥を忍んで頑張った方だ。
更にはシャンクスの服にも手を掛ける羽目になり、ユーリは視線を逸らしながら上半身だけ脱がせていく。
程なくして目の前に現れた逞しい身体に、一瞬目を奪われたが、すぐさま胸にある大きな傷に気づいた。
考えるまでもなくそれはユーリが付けたものであり、辛そうな表情を浮かべるとそっとその傷に触れた。
「…本当に、大丈夫なんですか?」
心臓のすぐ横に刺されたであろう剣。
本当に、一歩間違っていれば即死レベルの傷だった。
「大丈夫じゃねぇから今日はユーリからしてくれ」
「…あ、嘘ですね。分かります」
人の悪い笑みを浮かべている彼は、完全にこの状況を楽しんでいた。
そして絶対に引かないと流石に理解したユーリは、腹を括ることにした。
どうせ足掻いた所で恥ずかしさはどうにもならない。
ならば一思いに終わらせたほうが、精神衛生上まだマシだろう。