第3章 後編 王の願い 少女の想い
「……ワタシ・・・は…ダレ?」
疑問に対して疑問を返した彼女。
茫然と立ち尽くし、シャンクスを見つめるその瞳には、生気が宿っていないように見えた。
「……古代…兵器…機械・・・ウラ…スヌ」
まるでパズルのピースの様に、1つ1つ言葉を紡いでいく彼女。
「……シャンドラ……鐘…ポーネグリフ…」
言葉を紡いでいくうちに、彼女の表情が次第に変わっていた。
「シャンクスの…願い…」
絶望に満ちた彼女の表情は、何を表しているのか。
彼女は、ユーリは一体何を見ている?
一体、何の話をしているんだ?
「ワタシハ……ユーリ……デス」
まるでそう言い聞かせるように伝えられた言葉。
シャンクスは彼女の言葉に、静かに頷く。
たとえどんな姿をしていても、自我を失っても、ユーリはユーリだ。
だから、彼女が抱え込んでいるものを教えて欲しかった。
どう見ても何かに怯え、後悔している様子のユーリ。
そんな姿を、これ以上見たくなかった。
「…ゴメンナサイ」
シャンクスが一歩ユーリへ近づいた時、静かに響き渡った言葉。
彼女は、泣いていた。