第3章 後編 王の願い 少女の想い
黒ひげから指定された場所に着いたのは、丁度朝日が出始めた頃だった。
ユーリは船から飛び降りると、黒ひげの船を確認し足を進める。
船の見張り番をしていた者に黒ひげの行き先を聞くと、急いでその場所へと向かった。
密林のような場所を駆けながら、ユーリは少しだけ迷っていた。
本当は、シャンクスに助けを求めるべきだったかもしれない。
相手は複数な上に、エースを捕らえ、シャンクスに傷を付けれるほどの実力の持ち主だ。
正直、勝てる気がしなかった。
だが時間がなかったので仕方ない。
ユーリは手元のポーネグリフを握り締めると、可能な限り穏便に済ませることを考えた。
シュライヤの安全が確保されれば、ポーネグリフなどくれてやる。
もしかしたらシュライヤはラフテルを目指していたかもしれないが、まずは命が大切だ。
ユーリは前方を見据えると、開けた場所が視界に入った。
その中央に待ち構えている、黒ひげとその仲間達。
ユーリは一度足を止めて深呼吸をすると、彼らの前に姿を現した。