第3章 後編 王の願い 少女の想い
ユーリは話を聞き終えると、改めて手元の石を見た。
その石は、彼女の想像が正しいなら、恐らくポーネグリフだろう。
しかし何故一国の王女がこれを?
この石が本物か偽物か。
またはリオポーネグリフかロードポーネグリフか。
真相は分からないが、王女がこの石に思いを込めたと言う言葉に引っ掛かりを覚えた。
ユーリはそっと瞳を閉じると、暫く考え込む。
その様子を黙ってみているシュライヤ。
ユーリは閉じていた瞳を再び開くと、突然部屋の光を消した。
そしてロウソクに火を灯すと、その石を掲げる。
ここまでやった行動は、ほぼ無意識だった。
ロウソクの火の光に照らされて、机の上に石の影が出来る。
そこに浮かび上がったのは、古い言葉だった。